カテゴリ:本( 7 )

猫とともに去りぬ



イタリアの児童文学者ジャン二・ロダーリの大人向けのファンタジー童話。
ファンタジーというよりも、漫談や小話みたいな詰め込み方で、
読んでいて力が抜けた。
眠る前の歯磨き読書に最適だった。 子どもにも読んでもらいたい。

最初の、孤独な老人の話、ちょうど旅先のテレビで観たドキュメンタリー番組の
登場人物たちと同じような立場だった。
人は、それほどに孤独ではないのだと思う。 隣人と話をするべきだ、と。
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by bookscotocoto | 2015-03-22 15:00 |

縞々

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ミシェル・パストゥロー著「悪魔の布 縞模様の歴史」という本を読んでいる。
十三世紀頃から現代までの、衣食住(主に衣)のなかの縞模様についての
考察本なのですが、
ボーダーなんてありふれすぎていて、特に関心もなかったくらいだったのが、
これを読みはじめてからは自分の靴下も凝視する始末。

布施英利さんの本を読むと、道行く人たちが
スケルトンになるのと一緒。(たぶん)

写真のお三方はアルカトラズ監獄の囚人服を着ている。
実際の囚人かモデルさんかは不明。
でもなんておしゃれなんだろう…… と思ってしまった。
スーツやジャケットって、いまは監獄では着ないはずですよね。
ちなみに、年代は1920年頃。
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by bookscotocoto | 2012-09-29 01:35 |

梨木香歩「渡りの足跡」

読んだ後もかなりの余韻のあった本。

梨木香歩の小説では「家守綺譚」や「ペンキや」を読んだ事があり、
著者が植物や植生に詳しいことは知っていたが、
野鳥についでの造詣がかなり深いことをこの著書で初めて知る。

「渡り」を行う野鳥を追い、知床や諏訪湖、カムチャッカへと
足繁く通う著者。
オオワシ、オジロワシ、ワタリガラス、カワラヒワ、ウソ、
ヤマゲラ、ヒヨドリ、ドバト、オオヒシクイ、アカモズ、
クビワキンクロ、トガリネズミ、ハチクマ……

数えていないけれども、本書にはまだまだたくさんの鳥や動物が登場する。
南方止まりで本来は越冬しないはずの鳥が紛れ込んでいたり、
群れから逸れ、ひとり(一羽)孤独に旅をする個体の話など、
鳥との関わりを長く持つ著者の眼差しそのものの現れが
とても興味深かった。

それと同じくらい引きつけられたのが、
渡りの鳥たちの話の間に差し込まれた、日常でふと関わった人々の話。
宅配業者のふりをして強引に玄関を開けさせて
布団のクリーニング業を行う若者の業者や、
駅のホームで見かけた、下着を突然鞄から取り出す女性、
「ノーノーボーイ」として戦時中アメリカの収容所で過ごした老人。
どれも強烈なエピソードだけれども、同じ日常のライン上にある、
隣人や、そして自分にも関わる話だと思えた。


学生の頃、満員電車の中でつり革につかまりながら、
北海道のヒグマが同じ時間に同じ国で生きている事がとても不思議だったと
想像していた星野道夫の言葉を思い出した。

日が沈み、闇夜の中でも、星を頼りに鳥たちは渡りを続ける。
初めての渡りのための準備をするオオワシが、
遠く、カムチャッカ上空を旋回する。
その光景を想像するだけで、ヒグマのことを想う気持ちにも似た、
荘厳な気持ちになる。

どこかへ「渡り」をするときは、この想像した光景を忘れないでおこう。


”さあ、出発しよう、というときの衝動は、「帰りたい」という本能的な
帰巣本能とほとんど同じもののような気がしてならない。
 生物は帰りたい場所へ渡る。自分に適した場所。
自分を迎えてくれる場所。
自分が根を下ろせるかもしれない場所。
本来自分が属しているはずの場所。還っていける場所。
 たとえそこが、今生では行ったはずのない場所であっても。”

渡りの足跡

梨木 香歩 / 新潮社


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by bookscotocoto | 2012-08-27 22:10 |

綿の国星



小さい頃は数々の習い事をしていたように思う。
お習字、公文、英会話、絵画教室…

その中でも長く続いたのはピアノとスケート。
スケートはたしか小学校高学年まで、
ピアノは高校受験で忙しくなるまで習っていた。


ピアノ教室で、待ち時間はずっと漫画を読んでいた。
モーツァルトやバッハ、ベートーベンの伝記漫画や
「りぼん」、「花とゆめ」、「マーガレット」などの少女漫画。
自分より少し上の世代の人たちが読んでいた本がたくさんあって、
もう夢中で読んでいた。

順番待ちの人が増えて来たら、ソファー席から
レッスン中のグランドピアノの下に移動して、
誰かのピアノの音を聴きながら「綿の国星」を読んでいた。
読んでいたことは思い出せるけど、ストーリーはすっかり
忘れてしまっていた。


こんな話だったんだ。
さらに感動。
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by bookscotocoto | 2012-07-26 01:08 |

櫻の園

気になってたけどこれまで機会がなくて読んでいなかった吉田秋生の
漫画本。図書館で見つけて貸りてみました。

携帯電話で会話する昨今の高校生の中で、このような会話は
なされているのでしょうか。
小さな願いやささやかな心動かす出来事で揺らめく、
子どもではなくなっていく段階で、この物語に登場する少女たちの
振る舞いに今の時代の希望が見出せるような気がします。
静かなんだけど、じんわりと残る物語でした。
つみきみほや福田沙紀で映画化された『櫻の園』も観てみたい。

櫻の園 白泉社文庫

吉田 秋生 / 白泉社


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by bookscotocoto | 2009-03-02 16:16 |

旅する巨人

去年一度読んで只今再読中。
日本中歩き回って”ほんとうの足跡”を残した宮本常一の生涯を
ノンフィクション作家の佐野眞一がルポルタージュとして綴った
書籍です。取材者数も、参考文献数もものすごいです。その分の
情熱もたっぷりの内容。
周防大島の偉大なる百姓であり、日本の民族学にはかりしれない
功績を残した人物であります。とってもおすすめ。


旅する巨人―宮本常一と渋沢敬三

佐野 眞一 / 文藝春秋


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by bookscotocoto | 2009-03-02 15:58 |

ボーダーラインについて

図書館で借りて来た「考える人」のバックナンバーをめくり、
梨木香歩の連載「ぐるりのこと」の『群れの境界から2』を選んで
読んだ。
気になっていたことが書かれてあったので最後まで目を通す。

英国版タイム誌に掲載されていたカズオ・イシグロ氏へのインタビュー
記事の中で、インタビュアーの述べた言葉の一節「彼は日本人のことも
英国人のことも同様にtheyという表現で語った」という部分が印象に残ったと
梨木香歩が書いていた。
浮遊するような感覚で、境界の波打ち際に存在する人々の多いこと
多いこと。境界の完全に内側の人間のすることも奇妙で・・・といった
話だった。

「考える人」は好きでよく読む雑誌。
クラシック音楽の特集がまたあるといいなぁ。
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by bookscotocoto | 2009-01-07 21:22 |


日常と非日常の対なすもののくりかえし。 消えて行くものの記録。


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